今で頭をいっぱいにする―不安を和らげるコツ

うつは自分で治せる!

おはようございます。臨床心理士/牧師の河村です。

うつになると不安になります。何とかしたいと思いますが、簡単ではありません。

原因は頭が暇すぎることです。頭の中が隙間だらけなので、いろいろ考えてしまうのです。思いが過去や未来に拡散します。心の迷いは、過去への後悔、将来への不安に原因があります。

禅には「前後裁断」という考え方があります。前後を裁断し、今に集中するという考え方です。昨今流行っているマインドフルネスにも共通するものがあります。マインドフルネスは治療効果があることがエビデンスで出ています。

だれもが禅の修業をできるわけではありません。身近なところで具体例をあげて説明しますので、今に集中する練習をしてみてください。

1 納豆を食べるとします。

からしとタレを入れて混ぜます。混ぜながら、納豆粒を眺めてください。納豆の色、混ぜると出てくるネバネバ感、手で納豆のパックを持っている感触、混ぜていると匂ってくる納豆の香り、「納豆、納豆」などと心の中で言いながら、納得を混ぜます。

「そういえば、今日の午後の仕事はうまく行くかなあ」と、思いがどこかに飛んで行きます。飛んで行ったら、もう一度納豆に思いを集中します。

今までですと、納豆ご飯を食べながら、「あれはどうなるんだろう」などという思いが頭を駆け巡り、不安になっていたかもしれません。ところが、何度かやっているうちに、思いが「今」に集中する感じをフッと味わえるときがあります。コツを掴んだ感じです。思いを「今」に閉じ込める感触です。

もう一つ、具体例を挙げます。

2 朝に散歩をされますか。

散歩するときには音楽を聴きたくなりますが、せっかくですから何も聴かずに歩きます。そのほうが効果的です。五感を働かせることができるからです。五感を研ぎ澄まして歩くと、それまで気にもとめていなかったのが、うぐいすの鳴き声が聞こえてきたりします。

足の裏の感触を感じながら、「左足」「右足」「左足」「右足」とふうに、足の裏で地面を感じ取りながら歩きます。少し大股気味になりますが、それでOKです。

「来週は面倒な会議があるなあ。どのように対応したらいいだろうか」などと思いがばらけて行きますが、気づいたらまた足の裏の感覚に思いを集中して行きます。

2つ具体例を挙げました。思いを「今」に閉じ込める感触がフッと感じられると、不安が少しずつ収まって行きます。ぜひこの感触、コツを掴んでください。

ここまでお読みいただいてありがとうございました。

きょうもよい一日でありますように。

河村従彦

臨床心理士/牧師
カワムラカウンセリングルーム運営
KCPSコンソーシアム(牧会・心理職研修会)主宰
牧師人材育成、大学非常勤講師、ボランティアカウンセラー養成、出版、児童発達支援、職員コンサルにも従事、企業の総務にも関わる
東京、神奈川、静岡で教会を牧会
臨床心理学とキリスト教の両方に関わる領域に関心
「神イメージ理論」はライフワーク 博士(人間科学)
若い頃のアイデンティティ崩壊、人生後半にメンタルバランスを崩した経験から、人のお役に立ちたいと願って臨床を続けている

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