宗教二世ということばは数年前から広く知られるようになりました。宗教的な背景の中で人格形成をした方々が何が自分の身に起きていたのかを知って、自分の人生を生きることができなかった、大切な若い時代を奪われたなど、今も感じている生きにくさを表明しています。
その内容は、アダルトチルドレンに共通するものがあったり、昨今注目されるようになった発達性トラウマや複雑性PTSDにも通じるものがあります。
メディアもその実態を取り上げ、地上波でもドキュメンタリー番組が放送されました。そこで語られていた証言は、伝統的な宗教の中で人格形成をした方々が申し訳なさそうに証言していた内容と酷似していました。よくぞ言ってくれたという感じでした。
それから、宗教二世と並んで、伝統的な宗教、特にキリスト教の環境で人格形成をして、生きづらさを感じておられる方々を「教会二世」と呼ぶことにしました。造語です。
実はこれは人ごとではありません。自分もサバイバーという認識を持っています。かつてそのような環境の中にいました。挫折を体験したことをきっかけに自分の人生を取り戻そうと思い立ち、あるときから自分の人生を歩き始めました。
実は数年前、キリスト教会の中で「二世」を支援することを目的として、自分が体験したことをふまえて本を出版しました。それがこの本です。

2020年の出版ですから、それから数年が経過しました。その間、さらに臨床を重ねながら、また自分の人生の棚卸しをしながら、出版当時は見えていなかったものがもう少し見えるようになってきている感じがします。
このブログでは、だれにも言えなかった宗教二世・教会二世の心理について、自分の体験をふまえて、心理学的な角度から説き明かして行こうと思います。
きょうもよい一日でありますように。

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