溢れる情報は冷たかった―ぬくもりを求めて

うつは自分で治せる!

おはようございます。臨床心理士/牧師の河村です。

メンタルバランスを崩したとき、できれば薬に頼らず生還したいと考えました。ストレッサー刺激を減らす、生活環境を整える、食事療法に取り組む、できることは何でもやりました。書籍をいろいろ入手しました。YouTubeも見ました。精神医療についてもいろいろ調べました。おかげで、少し知識が増えました。

これはまったくの私見です。情報は氾濫していて、ほぼ必要なものは手に入ります。それでも、

正直、温かさを感じなかった。

「うつを治す3つのコツ」とか「これをしたら10年治らなかったうつが3ヶ月で治った」とか聞くと、2つの思いが頭をよぎりました。

1 その情報ぜひ知りたい

2 なんだか冷たい

ぬくもりが欲しかったんです。

病んでいたからといえばそれまでですが、あのしんどかったとき、本当に寄り添ってくれる情報はそれほどないんだなと感じました。商業ベース化しているからかもしれません。一生懸命治療やケアに取り組んでおられる専門職の方、ごめんなさい。

なぜこういうことを書いているかというと、自分は人に寄り添う仕事をしてきたからです。「研ぎ澄まされた傾聴」などと洒落たことばを使っていました。

クライエント様は何を求めていたのだろうか。恥ずかしくなりました。

うつについてはいろいろな本が出ています。ゴッツい専門書もあれば、ノウハウが書いてある実用書もあります。でも、寄り添ってくれるわけではない。

「うつ病にかかった精神科医が……」みたいなのもあります。経験して書いてくれている分、共感できるところもあります。

『うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間』(先崎学著)はオススメの一冊です。「治してあげよう」的な本ではなく、体験したことを赤裸々に書いていて、心に染み入ります。以前、自分の臨床のために読みました。そして今、体験した者の辛さ、しんどさは、少しだけわかる気がします。

これからも臨床を続けて行きます。しかし、今までとは意味が違ってしまいました。あのしんどさと恐怖はだれにも味わってほしくない。ただそれだけです。

うつは引き返せる段階で引き返す!

1 そのまま突っ込んで重症化して半年から一年休む

2 予兆の段階でペースを落として短い休みで回復する

絶対に2を選んでほしい! 心底そう思っています。

ここまでお読みいただいてありがとうございました。

きょうもよい一日でありますように。

河村従彦

臨床心理士/牧師
カワムラカウンセリングルーム運営
KCPSコンソーシアム(牧会・心理職研修会)主宰
牧師人材育成、大学非常勤講師、ボランティアカウンセラー養成、出版、児童発達支援、職員コンサルにも従事、企業の総務にも関わる
東京、神奈川、静岡で教会を牧会
臨床心理学とキリスト教の両方に関わる領域に関心
「神イメージ理論」はライフワーク 博士(人間科学)
若い頃のアイデンティティ崩壊、人生後半にメンタルバランスを崩した経験から、人のお役に立ちたいと願って臨床を続けている

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