おはようございます。臨床心理士/牧師の河村です。きょうはご気分はいかがでしょうか。
ストレスはうつ病の原因だという言い方をしますが、そうではありません。うつ病は脳内にさまざまな変化が生じることで発症する脳の病です。
ストレスと似たことばに、ストレッサーという言い方があります。ストレスの原因となる刺激のことです。「生活環境ストレッサー」、「外傷性ストレッサー」、「心理的ストレッサー」の3つに分類できます。
過度のストレッサーに晒されると、生体がそれに反応します。それを「ストレス反応」といいます。「心理的反応」、「行動的反応」、「身体的反応」の3つに分類することができます。
現代社会はストレス負荷が大きいため、ストレスを悪いものだと考えがちですが、実はストレスは生物個体にとって欠かせないものです。ストレスを与えないラットの実験があります。ストレスを与えたときよりも、ストレスをまったく遮断したときのほうが早く死んでしまいました。
大切なのは、ストレスがないことではなく、(1)ストレスが過度でないこと、(2)ストレスを上手にマネージできること、この2つです。
ストレスはうつ病の原因ではありませんが、ストレッサーはうつ病発症のトリガーになります。
難しいのは、ストレッサーの刺激を受けても、すぐに発症するわけではないということです。ですから、「これくらい大丈夫」と思ってしまうのです。2ヶ月くらいしてから、ある日突然異変を感じたりします。
新しい仕事に挑戦していました。すべてが順調でした。しばらくして、家族に関する思いもよらない問題が持ち上がりました。ストレスが二重になって覆い被さってきました。
思い返すと、家族に関する問題が起きる前から、はらわたにズシンとくるような変な感じがしていました。1ヶ月ほど経ったある日、Xデーはやってきました。
最初に思いました。「とにかく、ストレッサーを減らそう」。新しく挑戦した仕事はやめることにしました。やめる決断をしたら、はらわたにズシンとくるような変な感じはスッと消えて行きました。しかしそれでも、交感神経が暴走しているような、ことばにならない変な感じはすぐには消えることはなく、そこから、自分の生活の見直しが始まりました。
ストレッサーを減らす、おかしいなと思ったら、まずこれです。
きょうもよい一日でありますように。
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