ストレッサーと物理的距離を取る―うつ病前段階で引き返すために

うつ自己ケアプログラム
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おはようございます。臨床心理士/牧師の河村です。きょうはご気分はいかがでしょうか。

ストレッサー刺激を受け続けていても、すぐにうつになるわけではありません。しかし、脳内バランスは少しずつ崩れています。そこにもう一つストレッサーが加わると、それがトリガーになって心身の変調が表面化します。

最初にやらなければならないことは、ストレッサーを取り除くことです。

1 何がストレッサーかを見極める

これはそれほど難しいことではありません。しばらく前から、あの人に会うと思っただけで会社に行きたくなくなるなど、何にストレスを感じているかはわかります。

ストレッサーを特定できたらどうしたらよいでしょうか。答えは一択です。

2 ストレッサーとの物理的距離を取る!

これ以外にありません。これが回復への近道です。

ところが、物理的距離と言っても、自分で決められるわけではありません。自営であれば自分の判断で仕事を減らすことができます。しかし、会社の上司がストレッサーである場合、親がストレッサーである場合、配偶者がストレッサーである場合などは、自分の努力だけではどうにもなりません。

自分が決められる範囲でどうにもならない場合はどうしたらよいでしょうか。

3 ストレッサーとの接触を最低限にする

ビジネスで齟齬のないように、必要最小限のコンタクトに絞ります。失礼などと思う必要はありません。自分の心身を守りましょう。

それでもしんどくなってきたら、次のステップです。それはあなたの人生で意味のあるステップになるはずです。

4 声を上げる

「この段階で踏みとどまらないと、本格的なうつ病になってしまうので協力してください」と声を上げましょう。

一時的にマイナスが出るかもしれません。しかし、ここで踏みとどまって1ヶ月で回復できるのと、我慢して、半年、1年といった長い期間休まなければならいのとどちらがいいでしょうか。

戻れることを「可逆性」と言います。戻れなくなることを「不可逆性」と言います。うつ病の場合、引き返せる段階が可逆性、病状が進行してしまうと簡単に戻れなくなります。不可逆性です。

可逆性の段階でとにかく戻る! 自分の経験から、なんとか可逆性の段階で引き返してほしい。そう願って心理臨床を続けています。

きょうもよい一日でありますように。

 

河村従彦

臨床心理士/牧師
カワムラカウンセリングルーム運営
KCPSコンソーシアム(牧会・心理職研修会)主宰
牧師人材育成、大学非常勤講師、ボランティアカウンセラー養成、出版、児童発達支援、職員コンサルにも従事、企業の総務にも関わる
東京、神奈川、静岡で教会を牧会
臨床心理学とキリスト教の両方に関わる領域に関心
「神イメージ理論」はライフワーク 博士(人間科学)
若い頃のアイデンティティ崩壊、人生後半にメンタルバランスを崩した経験から、人のお役に立ちたいと願って臨床を続けている

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