再発予防期からの人生観―脳が疲れたら仕事は明日に

うつは自分で治せる!

おはようございます。臨床心理士/牧師の河村です。

うつ病は適切な治療とケアがされれば治る病気です。それでは、実際治るまでにどれくらいの期間が必要になるのでしょうか。

治療を始めてから症状が改善し始めるまでに数週間から数ヶ月、社会生活に戻れるようになるまで数ヶ月から1年以上かかることもあります。

厚生労働省のデータでは、6ヶ月で症状が消失する人は約50%、1年で約80%、2年で約90%とされています。再発率は、1回目が60%なのに対し、2回目になると70%、3回目は90%と言われています。ただし、これはあくまで平均的なデータであり、個人差があります。

こういった情報は知っておくべきですが、とらえかたによってはマイナスになります。早く治りたいという気持ちが出て、焦ってしまうケースが少なくないからです。自分のペースで焦らず治療を継続することが大切です。

回復期から再発予防期になると体を動かすことができるようになるだけでなく、ものを考えたり、思考をまとめたり、原稿を書いたり、いわゆる知的作業ができるようになります。

そこで忘れたくないことがあります。うつは、ストレスがオーバーしたとき、脳がこれ以上負荷がかかると危ないと判断して体全体にストップをかけたということです。ですから、うつの回復のためには、脳疲労を起こさない、あるいは脳疲労を貯めないことを1つの指標にしておく必要があります。睡眠が重要なのはそのためです。

体が疲れているかはすぐにわかります。しかしそれだけでなく、脳が疲れていないかも観察します。疲れていると感じたら、それ以上脳に負荷をかけないように、一日の仕事はそこでストップします。

自分のことを振り返りました。

夕方まで仕事をすれば脳は疲れているはずです。それでも、何か食べると体が少し元気になるので、多少無理しても大丈夫だと思っていました。「できればあの企画は今日中に済ませたい、寝るまでの時間でやってしまおう」などと考えて深夜まで仕事をすることもありました。

こんなことをしていて十分な睡眠がとれるはずもありません。脳疲労が回復するはずもありません。

このように考えましょう。

「脳が疲れていると感じたら仕事は明日にまわす」

回復期から再発予防期に脳の適切なケアができるかは大切です。再発のリスクも抑えることができます。

ここまでお読みいただいてありがとうございました。

きょうもよい一日でありますように。

河村従彦

臨床心理士/牧師
カワムラカウンセリングルーム運営
KCPSコンソーシアム(牧会・心理職研修会)主宰
牧師人材育成、大学非常勤講師、ボランティアカウンセラー養成、出版、児童発達支援、職員コンサルにも従事、企業の総務にも関わる
東京、神奈川、静岡で教会を牧会
臨床心理学とキリスト教の両方に関わる領域に関心
「神イメージ理論」はライフワーク 博士(人間科学)
若い頃のアイデンティティ崩壊、人生後半にメンタルバランスを崩した経験から、人のお役に立ちたいと願って臨床を続けている

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