カウンセリングをする最初の段階で確認しなければならないことがあります。クライエントが安全を確保できているかです。
クライエント自身が安全ですと言っても、客観的に見て安全でない場合があります。どうして虐められ続けるのだろうと、不思議になるような状況でも、その場所に居続けます。宗教的コンテクストでは、安全ではないのに安全だと信じているケースがあるので、注意が必要です。
心理的距離を取ることができない場合は、物理的距離を取ることを一つの選択肢としてイメージしながらお話しを聴いて行きます。心身に危険が及ぶことが想定される場合は、距離を取ることをお勧めすることもあります。
原則的には、カウンセラーが勧める話しではありません。クライエント本人の最終的な決断として、宗教と距離を取るケースもあります。同じ宗教にとどまりながら、違う団体に属する決断をするケースもあります。
いずれも、本人が考え、本人が決めることが大切です。
カウンセリングの方向性
カウンセリングルームに来談される方は、こちらで枠をかけているわけではないのですが、宗教的背景を持った方が少なくありません。
主訴は、人間関係の問題、家族の問題、夫婦関係、子どもとの関係など多岐に渡ります。その底辺に、宗教二世マインド、教会二世マインドが流れています。
教会二世の自分取り戻しカウンセリングは、前提として考えておくべき心理的背景が少なくとも二つあります。
1 人としての尊厳が踏みにじられた体験をしている
2 尊厳が踏みにじられた認識がないまま長い時間を過ごしている
人としての尊厳を踏みにじられる体験は、人からおかしいと思われていない宗教でも起こります。外から見るとわかりにくいですし、本人も踏みにじられたことに気づいていない場合があります。
そのような環境で、発達性トラウマ、複雑性PTSDを発症するケースがあります。カウンセリングのセッションでは、トラウマ臨床を視野に入れながらお話しを聴いて行きます。
目ざすゴールは、「自分と自分の人生についての主体性を取り戻すこと」、言い換えると自分の取り戻しです。
続く

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