今までの分析をふまえて、実践してきた臨床をご紹介します。
トラウマケアは、自分でできないことがあります。また、しないほうがよいケースもあります。フラッシュバックが起きたり、身体に不調をきたしたり、感情のコントロールができなくなったり、安易に記憶をたどることでトラウマの追い打ちになる可能性もあります。
難しいと感じたときには、カウンセリングを受けることをお勧めします。カウンセリングを受けることは珍しいことではありません。
基本的な考え方
自分取り戻しカウンセリングとは、文字どおりクライエントが自分と自分の人生を取り戻すためのカウンセリングです。「本当の自分」を「自分の中の他人」にしてしまっている状態から、本来のあるべき姿、本当の自分を生きることを目ざします。安冨らの概念を参考に、自分取り戻しカウンセリングの構造を図にまとめました。

「本当の自分」を隅に追いやり、「自分の中の他人」にしている状態、「作られた自分」を生きている状態です。生きている自分が「作られた自分」であることに気づき、「本当の自分」を、生身で生きている本当の自分にします。
脳科学の知見を意識する
以前も述べたとおり、虐待を受けた子どもの脳は、器質的、機能的に変化することがわかってきています。また、脳細胞や脳のニューロンが再生することもわかってきています。
この分野については目覚ましい研究の成果が提出されていますが、筆者はドクターでも脳科学者でもありませんので、詳細を述べることはできません。
心理士としてできることは、またしなければならないことは、脳科学の貢献をふまえて、PTSDのケア、フラッシュバックからの回復に希望があることを共有することです。
1 安全な環境の確保
トラウマを喚起させる環境に居続ければ、脳内のその部位が興奮し続けることになります。過剰反応しないように、ホッとできる環境を確保します。
2 新しい思考や習慣のリピート
脳内の情報は、一つの回路ばかり使っているとその回路が強化され、信号が通りやすくなります。新しい思考や習慣を繰り返すことで、脳の回路を正しい回路に変えることができます。
以上のことを意識しながら、生活習慣の見直しも含めて、焦らずに取り組みます。
続く

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