抗うつ薬はうつ病に効かない?―SSRIを取り巻く事情

うつ自己ケアプログラム
おはようございます。臨床心理士/牧師の河村です。きょうはご気分はいかがでしょうか。
抗うつ薬の話しをします。筆者は医師ではありませんので、確定診断も薬の処方も行いません。ですから、参考までにお読み下さい。また、ドクターの先生方は患者をよく見た上で処方してくださっていると思いますので、そのことに疑義を挟むつもりもありません。
そうは言うものの、抗うつ薬についてはいろいろなことが言われてきました。
薬やめる科の松田史彦先生によると、うつ病は1980年代くらいまでは極めて稀な病気だったそうです。「理由がないのに」感情が消失する、精神科医でもめったに出会わない疾患でした。ところが、アメリカ精神医学会の「精神疾患の診断・統計マニュアル」(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders」の第3版(DSMーⅢ)からうつ病の定義が変更され、「理由があって」精神的に不安定になる抑うつ状態まで含むようになりました。当然のことながら、うつ病の患者数は増加しました。
日本では1990年代末に精神科のイメージが大きく変化する動きがありました。心療内科が発足したのが1996年、それ以降、クリニックを受診するハードルがさがったと言われています。
1999年、「うつは心の風邪」というキャンペーンが展開され、うつ病はどこにでもある普通の病気にイメージが変わりました。同年、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が投入されました。
抗うつ薬は効くのでしょうか。うつ状態、軽症・中等症のうつ病には効かないという見解、大うつ病には効くけれども、それ以外には効果がないという見解もあります。
最近は、薬を使わないでうつ病を治すという考え方の医師やカウンセラーがさまざまな情報を発信しています。自分の場合は軽度で引き返したいと考えました。身近にメンタルバランスを崩した人がいたのを見てきた経験から、薬を飲むことは考えませんでした。
最初に述べたように、医師の処方について口をはさむつもりはありません。しかし、医療サービスを受ける側として、抗うつ薬をとりまく状況についてよく知った上で、自分に合っている治療が何なのかは自分で考える必要があると思います。

最後までお読みいただいてありがとうございました。

きょうもよい一日でありますように。
河村従彦

臨床心理士/牧師
カワムラカウンセリングルーム運営
KCPSコンソーシアム(牧会・心理職研修会)主宰
牧師人材育成、大学非常勤講師、ボランティアカウンセラー養成、出版、児童発達支援、職員コンサルにも従事、企業の総務にも関わる
東京、神奈川、静岡で教会を牧会
臨床心理学とキリスト教の両方に関わる領域に関心
「神イメージ理論」はライフワーク 博士(人間科学)
若い頃のアイデンティティ崩壊、人生後半にメンタルバランスを崩した経験から、人のお役に立ちたいと願って臨床を続けている

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