社会復帰に向けて―段階を踏むことが大切

うつは自分で治せる!

おはようございます。臨床心理士/牧師の河村です。

回復期を経て再発予防期を過ごしながら、そろそろ仕事に戻ろうかと考え始めるときに注意しておきたいことをまとめます。

社会復帰がちらついてくると、早く発症する前の生活に戻りたいという気持ちが出てきます。しかし、無理すると再発のリスクが高まるので注意が必要です。

次のことを心にとめておきましょう。

1 段階的に復帰を目ざすこと

出勤日初日から通常の業務を始めることができれば理想的ですが、やはり無理があるでしょう。

回復期あたりから少しずつ動くことに慣れて行きます。たとえば、一日の体が元気な時間に、駅に行く途中の公園まで歩いて行って、少し時間を過ごして帰ってくるくらいから始めます。それができたら、次には朝の出勤時間に同じことをしてみます。

医療機関、職業センター、企業内で行われているリワークプログラムを利用することも可能です。リワークプログラムについてはネットで検索すると情報を得ることができます。

職場の人事や上司と相談します。半日から始めることを認めてもらうなど、相談しながら復帰のスケジュールを決めて行きます。試し出勤制度など段階的な復帰をサポートしてくれる場合もあります。

医療を受けている場合は医師と相談してください。社会復帰後も服薬を続ける場合が少なくありません。また、職場から復職するための証明書を求められる場合もあります。

2 自分のペースを崩さないこと

2つのアンテナを立てておきます。1つは、体の調子がどうかというアンテナ、もう一つは、脳が疲れていないかというアンテナです。疲れを感じたら脳と体を休めるようにしましょう。

3 新しい身の丈のスタイル、居場所を模索すること

発症する前、食事が不規則であったり、栄養について考えていなかったり、睡眠時間が基本的に足りていなかったり、寝る時間と起きる時間がバラバラだったり、生活習慣が乱れていたケースがあります。

そのような生活が自分の身の丈に合っていなかったと考え、これを機会に生活習慣を見直します。若い頃と同じにはできないことも理解しておきます。

同じ職場に戻るかという問題もあります。職場がストレッサーだった場合は、配置換えを認めてもらうか、違う職場や仕事を選ぶか、次のことを考える必要があるでしょう。無理のない範囲で情報集めをしましょう。

ここまでお読みいただいてありがとうございました。

上手なソフトランディングができますように。きょうもよい一日でありますように。

河村従彦

臨床心理士/牧師
カワムラカウンセリングルーム運営
KCPSコンソーシアム(牧会・心理職研修会)主宰
牧師人材育成、大学非常勤講師、ボランティアカウンセラー養成、出版、児童発達支援、職員コンサルにも従事、企業の総務にも関わる
東京、神奈川、静岡で教会を牧会
臨床心理学とキリスト教の両方に関わる領域に関心
「神イメージ理論」はライフワーク 博士(人間科学)
若い頃のアイデンティティ崩壊、人生後半にメンタルバランスを崩した経験から、人のお役に立ちたいと願って臨床を続けている

フォローする
うつは自分で治せる!
カワムラカウンセリングルームブログ

コメント