うつからの回復、再発予防期の過ごし方

うつは自分で治せる!

おはようございます。臨床心理士/牧師の河村です。

うつ病は治ります。寛解するだけで治らないという言い方をすることがあります。難しいケースもあるので、こういった言い方になることはわからないでもありません。しかし、適切なケアを受ければ回復は十分可能です。

うつからの回復は、風邪薬を飲んだら治るという感じではありません。生活習慣や食事を見直し、自己ケアのマインドを身につける中で、ゆっくり回復して行く感じです。

何をもって治ったと考えればよいのでしょうか。

うつを3つの期間に分けます。

急性期

抑うつ気分、睡眠障害、食欲不振、倦怠感などが表れます。思考力が低下し、仕事も続けられなくなります。自分の体がどうなるかわからない恐怖も出てきます。とにかく心身を休めることが必要です。精神科医や心理士によるケアを開始します。必要であれば薬を使って症状を軽減し、心身のエネルギーを取り戻すことを目ざします。周囲のサポートが重要です。

回復期

睡眠や食欲が少しずつ改善し、日常生活が戻って来ます。調子の波があります。回復に向けたリハビリテーションの期間です。無理は禁物です。薬が出ている場合は自己判断はせず、医師の指導に従います。カウンセリングを受けてメンタルバランスやストレス対処法について学びます。「あ、いいかもしれない」という小さな体験を積むことで自信が戻ってきます。

再発予防期

症状が消失し、日常生活・社会生活を送れるようになります。治ったという思い込みは禁物です。薬や通院は自己判断はせずに続けます。健康的な生活習慣を維持しながらストレス対処法を身につけることが大切です。「ゆっくり」という言い方を聞くとあまり嬉しくありませんが、やはり先を急いで再発してしまうのは残念です。

うつは再発率が高いと言われます。50%というデータもあります。再発するかはどのようなケアを受けたかによって差が出ます。薬だけよりもカウンセリングを併用すると予後がよいというエビデンスもあります。考え方を修正して脳に負荷をかけない生き方を身につけることが重要です。

自分を観察するようにしてください。3つの期間のどのあたりにいるかをわかっておくことが大切です。一日の終わりに良かったことを3行書く「3行日記」も効果的です。

ここまでお読みいただいてありがとうございました。

きょうもよい一日でありますように。

河村従彦

臨床心理士/牧師
カワムラカウンセリングルーム運営
KCPSコンソーシアム(牧会・心理職研修会)主宰
牧師人材育成、大学非常勤講師、ボランティアカウンセラー養成、出版、児童発達支援、職員コンサルにも従事、企業の総務にも関わる
東京、神奈川、静岡で教会を牧会
臨床心理学とキリスト教の両方に関わる領域に関心
「神イメージ理論」はライフワーク 博士(人間科学)
若い頃のアイデンティティ崩壊、人生後半にメンタルバランスを崩した経験から、人のお役に立ちたいと願って臨床を続けている

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