副腎疲労とうつ―似ていて別物

うつは自分で治せる!

おはようございます。臨床心理士/牧師の河村です。

うつ病と似た症状に副腎疲労があります。

副腎。「ふくじん」と読みます。腎臓の上に乗ったくるみ大の臓器で、サイズは小さくても大切です。

心身の調子が悪く、うつ病だと思ったのが、実は副腎疲労である場合があります。ストレスが加わると副腎はコルチゾールという物質を分泌します。コルチゾールはストレス反応や炎症を抑える働きをします。ところが負荷がかかり続けると、副腎が疲労し、コルチゾールを分泌できなくなります。その結果、動けなくなります。

元気なときには、朝、コルチゾールが分泌され、1日頑張ろうと体を元気にしてくれます。夕方になるとコルチゾールは出なくなります。夕方熱が出るのはこのためです。

ストレス負荷がかかり続けると、コルチゾールを分泌できなくなります。最後は動けなくなり、倒れてしまいます。病院で検査をしてもらえば、副腎疲労を起こしているかはわかります。

副腎疲労はうつ病と違う疾患ですが、症状は似ています。パーフォーマンスが下がった状態で外に出たらやられてしまうので、副腎が「休みをとったほうがいいよ」と警告を鳴らします。うつっぽくなるのは、人間が自分を守る防衛機能です。うつもメンタルが落ちます。メンタルが落ち込むのは必要だからそうなっているのです。

うつ病と副腎疲労は別物ですが、ストレッサー刺激が加わった結果として発症し、自分を守るためにうつ症状が出るという意味では重なります。いずれも休息と心身のケアが必要です。

うつ病は、ドクターが薬を処方することがあります。しかしそれでも、前提として休息と心身の養生が必要です。副腎疲労も見ておいてもよいかもしれません。

副腎疲労の回復には、タンパク質とビタミンB群を十分に摂ること、小麦、砂糖、乳製品を控えることなどが必要と言われています。ドクターのアドバイスを大切にしてください。

副腎疲労は最初無症状です。うつ病も気づかないまま進行していることがあります。少しでも違和感があったら立ち止まることが大切です。

うつは引き返せる段階で引き返す!

1 そのまま突っ込んで重症化して半年から一年休む

2 予兆の段階でペースを落として短い休みで回復する

絶対に2を選んでほしい! 心底そう思っています。

ここまでお読みいただいてありがとうございました。

きょうもよい一日でありますように。

河村従彦

臨床心理士/牧師
カワムラカウンセリングルーム運営
KCPSコンソーシアム(牧会・心理職研修会)主宰
牧師人材育成、大学非常勤講師、ボランティアカウンセラー養成、出版、児童発達支援、職員コンサルにも従事、企業の総務にも関わる
東京、神奈川、静岡で教会を牧会
臨床心理学とキリスト教の両方に関わる領域に関心
「神イメージ理論」はライフワーク 博士(人間科学)
若い頃のアイデンティティ崩壊、人生後半にメンタルバランスを崩した経験から、人のお役に立ちたいと願って臨床を続けている

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