扁桃体と上手に付き合う―不安は緩和できる!

うつは自分で治せる!

おはようございます。臨床心理士/牧師の河村です。きょうはご気分はいかがでしょうか。

扁桃体が興奮すると不安や恐怖の感情が喚起されます。扁桃体は原野で猛獣に出くわしたときに、「あぶない。どうするか決めろ」と警報を鳴らしてくれる脳の部位です。とてもありがたいのです。ところが、ストレスがかかりすぎてメンタルバランスを崩すと、扁桃体は過敏に反応するようになります。そうすると、猛獣に出くわしていないのに扁桃体が興奮してしまいます。背後に不安を喚起する実態がないのです。

扁桃体を鎮めて過剰反応をしないようにすることを1つのイメージにしてケアをして行きます。

まず、ここまで扁桃体が頑張り過ぎてきたので、「よくここまで頑張ったね」とねぎらいのことばをかけてあげましょう。

次に、扁桃体の興奮を鎮める方法です。

クリニックに行くと抗うつ剤が処方されます。SSRIです。SSRIはセロトニンを増やす効果があります。細胞外のセロトニンが増えると扁桃体の過活動が抑制されます。

体を動かすことは効果的です。朝に散歩をするのもオススメ。セロトニンやオキシトシンといった元気ホルモンがが分泌され、ノルアドレナリンやコルチゾールといったストレスホルモンが抑制されて、扁桃体を沈静化させることができます。

深呼吸も効果があります。ストレスや不安に晒されているときは呼吸が浅くなっています。意識しないで行う浅い呼吸と意識して行う深い呼吸は、脳の中枢が違います。意識して深い呼吸をすることで扁桃体の過剰反応が抑制されると言われています。

カウンセリングでは、生きてきたプロセスを振り返ります。自分を追い込んでいた考え方を調整したり、間違った人生のシナリオに気づくだけでも効果があります。またカウンセリングは、クライエントが自分の人生や気持ちを安心してことばにできる場です。そのことで何かに気づき、そこからご自分で解決を見つける方法です。言語化は、扁桃体を抑制する効果があります。

メンタルバランスを崩したときには不安が強くなるものです。ただその不安は、扁桃体が過剰反応をしているだけで、実態がある不安ではありません。

上手に扁桃体とお付き合いしましょう。それでも難しいときには、医師の診察を受けたり、心理士のカウンセリングを受けてみるのも一案です。

ここまでお読みいただいてありがとうございました。

きょうもよい一日でありますように。

河村従彦

臨床心理士/牧師
カワムラカウンセリングルーム運営
KCPSコンソーシアム(牧会・心理職研修会)主宰
牧師人材育成、大学非常勤講師、ボランティアカウンセラー養成、出版、児童発達支援、職員コンサルにも従事、企業の総務にも関わる
東京、神奈川、静岡で教会を牧会
臨床心理学とキリスト教の両方に関わる領域に関心
「神イメージ理論」はライフワーク 博士(人間科学)
若い頃のアイデンティティ崩壊、人生後半にメンタルバランスを崩した経験から、人のお役に立ちたいと願って臨床を続けている

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